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“町のよろず鍛冶屋”から多角化経営へ
ニーズに応える新技術を開発

株式会社倉本鉄工所

機械工業発明インフラ金属加工

農業および食品加工機械の開発・制作を手掛ける

エンジニアリングと製造の両輪で、
自社一貫生産を実現

 当社は、地域に密着した鉄工所を目指して昭和21年に創業しました。創業当初は木工機械・農業機械などの仕事を通して技術の習得に努め、昭和30年代にはパルプ工場、製糖工場及び石灰工場等の仕事を通してプラント事業進出の足がかりをつくりました。そして現在は、一般産業用機械の分野で地域のお客様にご愛顧頂きながら、大手プラントメーカーや自治体を中心に、水処理・廃棄物処理向け機械設備を全国一円へ納入させて頂いております。
 私たちの仕事は、”ものづくり”を通して各自治体が取り組むインフラ整備や地域を支える製造業に貢献することであり、言わば”まちづくり”の一端を担っていると自負しております。そして、当社のものづくりは”ひと”が源泉であり、熟練された技術と経験に裏付けされた知識が全てと言っても過言ではありません。社員一人一人が日々の自己研鑚によって”ひとづくり”を推し進め、ものづくりを通じて地域・社員・会社の繁栄を目指す所存であります。今後とも、まちのよろず鍛冶屋として、お客様・地域のお力になれるよう一意専心努力して参りますので、何卒宜しくお願い申し上げます。

エンジニアリング事業部と生産事業部の連携による一貫生産体制

水処理プラント及び
廃棄物処理プラントを全国に出荷

 ひとがまちで暮らしていくために、水処理・廃棄物処理の問題は切っても切り離せません。日本では1990年代以降、ダイオキシンや環境ホルモン、大気汚染、水質汚濁など、環境問題が大きく取り沙汰されてきました。更に近年では、長寿命化、地球温暖化対策、環境負荷の低減なども求められるようになっています。そのため各自治体では廃棄物処理場や水処理場の基幹的設備改良に注力してきました。当社が携わっているのは、まさにそうした処理プラント内で使われている大型の機械設備です。
 こうしたプラント設備というのは、もちろん用途としては同一のものを作ることはありますが、全く同じ規格品のようなものを作ることはありません。自治体によって求められる能力、大きさ、形状も違います。そのためお客様の要望をしっかりと聞き取りながら、できる限り期待に応えるように一品一様、オーダーメイドのものづくりをしています。
 経済のグローバル化が進み、海外製造業の参入などで、鉄工業界においても価格面の競争が進んでいます。そのため、他の企業は工場機能、加工内容ごとの分社化を推し進めることでコストダウンを図る傾向にあります。
 そのような状況で、当社は技術部門を設計・開発・品質管理を行うエンジニアリング事業部と、機械・製缶・板取の3課を有する生産事業部で構成することで、自社による一貫した生産・管理体制を目指してきました。設計から製作、据付、修繕に至るまでを一手に担うことで、短納期でお客様のニーズに沿った柔軟なものづくりを可能としています。
 お陰様で、そうした当社のものづくりを評価頂き、水処理・廃棄物処理プラントでは全国の自治体や大手メーカーから引き合いを頂いています。

大型プラントは、行政からの発注による開発も

酒造免許なしで酢を製造
「ビネガーファーメンター」

 ビネガーファーメンターは、地元北見の北見工業大学様や、地ビール醸成企業様と連携し開発しました。そもそも酢は醸造酒を酢酸発酵させたものなのでどうしても酒を取り扱うこととなり、製造には酒造免許が必要となります。ビネガーファーメンターでは原料を直接酢酸発酵することで、酒造法で定義される酒類を経ることなく食酢を製造することができるため、酒造免許が不要となります。また、ビネガーファーメンターではある程度糖分を含むものなら何でも原料として酢を醸造できます。地元の農産品を生かして独自の食酢を製造することができますので、町おこしにもつなげることができるのではないでしょうか。
 実際に、開発から連携をしているKITAMIブランドの会様では、地元北見産のハバネロを原料にした「大辛はばねろビネガー」を販売しています。先述の通り酒造免許がいらないため、生産者である農家さんが直接製造する、いわゆる6次産業化も可能です。
 これまで道内だけでなく、東京都、静岡県、鹿児島県、香川県など各地に出荷してきました。もちろん事業として持続的に販売を行うには製造以外にも多くの課題があり決して容易なことではないと思いますが、ビネガーファーメンターがそのハードルを下げる一助になれば開発に携わったものとして嬉しく思います。
 当社は昭和21年の創業から、鉄に関することならなんでもご相談いただける「まちのよろず鍛冶屋」として、北見の町で事業を営んできました。来年で創業80年を迎えますが、世の中は進歩し、豊かになり、当社の仕事もそれに合わせ少しずつ変わってきました。しかし、人の暮らしから鉄がなくなることはありません。
 今後も先人の技術を継承しながら、また新たな技術を取り入れながら日々研鑽し、鉄工に関してなんでもご相談いただける「まちの総合鉄工所」として、地元に根差して100年200年と続けていきたいと考えています。


株式会社倉本鉄工所

代表取締役社長 倉本 真
〒090-0811
北見市泉町1丁目4番12号
TEL: 0157-24-2031
URL:https://www.kuramoto-tekkohsyo.co.jp/

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